2012年9月28日金曜日

第414話 鎌倉から来た女 (その2)

本郷三丁目の「もつ焼き じんちゃん」。
当夜の相方は
The woman from Kamakura のP子だ。
堪能した焼きとんはすべて100円と
サラリーマンや学生のよき味方だ。
腹いっぱいというワケではないが
じゅうぶんに飲んで食べて会計は4170円。
近頃流行りの小ジャレた焼き鳥屋だと、
この倍は取られるだろう。
焼き鳥も出世したもんだヨ、まったく。

落合い場所を本郷としたのはP子の宿が水道橋だから。
本郷はラクに徒歩圏内なのにヤツはタクッて来やがった。
ぜいたくなもんだヨ、まったく。
2軒目はやはり水道橋に近い神保町。
「じんちゃん」では生ビール・黒ホッピー・マッコリを飲んだが
まだホロ酔い程度、佳境に入るのはこれからだ。

靖国通りと白山通りがぶつかる神保町の交差点、
そこからすぐの「六法すし」へ。
前回の訪問は6年前、そのときは独りで飲んだ。
中級店なのに超高級魚の星がれいがあると聞いて
呆気にとられたが石がれいの聞き間違いだった。
ハハハ、漫画ですな。

「六法すし」には生がないので瓶ビール。
P子も殊勝に従っている。
つまみに墨いかをもらった。
あとひと月もすれば新いか(墨いかの子ども)が出回るハズ。
この時期に墨いかかい? 
とも思ったが色ツヤはなかなかだった。
相方はいきなり玉子を頼んでいる。
無邪気なもんだヨ、まったく。

ビールのお替わりをお願いしてにぎりへ。
新子・穴子・赤身の即席づけの3カン。
づけの即席は感心しない。
相方も何か4~5カンつまんでいたっけ。
勘定は6千円ほど。

歩いて帰れる距離に宿を確保したP子はさらに強気。
それではと、行き着けのおばんざい屋「やまじょう」へ。
もう何も食べられないが
この時間なら料理もほとんど残っちゃいまい。

ここでもビールを飲んでいると、
常連客のO部サンからピノ・ノワールのおすそ分けだ。
この人は飲み切れないワインを常にボトルで頼んじゃ、
あちこちに分け与えるサンタのオジさんみたいな御仁。
TV朝日の人気番組「世界の〇〇から」を
制作している会社の社長サンである。

初めて「やまじょう」を訪れたP子は
いただいたワインと一緒に
味噌汁&ごはんをやっつけている。
よく飲むし、よく食うわ、まったく。

「六法すし」
 東京都千代田区神田神保町1-11-8
 03-3291-6879

「やまじょう」
 東京都千代田区神田神保町1-32
 03-3219-6780

2012年9月27日木曜日

第413話 鎌倉から来た女 (その1)

大変お待たせして申し訳ありませんでした。
本日の稿をアップしたつもりで朝から出掛けてしまい、
途中、多数の友人からプッシュされたものの、
すぐにPCの前に戻ることあたわず、
ご迷惑をお掛けしました。
お許しください。

さて、鎌倉在住の旧友、P子が1泊で
東京にやって来るという。
鎌倉なんざ1時間ちょっとで帰れるゾ、
日帰りにすればいいじゃないかと言ったら
「大きなお世話!」 とピシャリ一言。

でもって
「どこか飲みに連れてけ!」 との仰せ。
いいでしょう、いいでしょう、お連れしましょう。
気楽なのみともにつき、ハナシのまとまりは早い。
待ち合わせたのは本郷三丁目の交差点。
本郷通りと春日通りがぶつかるところで
 本郷も かねやすまでは 江戸の内
と詠われた小間物屋「かねやす」が
サウスウエストの角に建っている。

向かったのは交差点から徒歩2分の「じんちゃん」。
その名声は地元のみならず、
東京中にこだまする焼きとんの人気店である。
オヤジさんとアンちゃんの中間感じの店主が独りで切盛りする。
当人は「もつ焼き じんちゃん」を名乗っているが
豚のもつ焼き、いわゆる焼きとんの店だ。

スタートは二人とも生ビール。
それから黒ホッピーに移行して
その後、J.C.はマッコリ、P子はバイスサワーだ。
ここのバイスサワーは梅紫蘇味で
ほんのりピンクがかった美味い飲みもの。
P子はことのほかお気に入りだった。
バイスの語源は梅酢からきているらしい。

豚のシロを味噌で煮込んだ正統派のもつ煮込みがグンバツ。
黒胡椒がバッチリ効いた大量のマカロニサラダは
赤羽の有名店「米山」のそれにクリソー。
続いてガツ刺しとコブクロ刺し。
主役の焼きものはチレ・カシラ・ハラミ・シロ・ハツ。
好物のレバが売切れで涙をのんだ。
いや、実に旨い。

たびたび声高に主張しているから
読者には耳タコの方が多数おられると思うが
焼き鳥より焼きとんが好きなのだ。
鳥だったら1羽丸ごとのローストチキンがいい。
もっとも近頃は鳥の内臓を中心とした、
稀少部位を提供する店が増えて
あれだったら焼きとんに後れをとるものではないけれど・・・。

=つづく=

「もつ焼き じんちゃん」
 東京都文京区本郷2-39-7
 電話ナシ

2012年9月26日水曜日

第412話 鳥にも動かぬヤツがいた!動物園こそわが楽園 Vol.3

昨日に引き続き上野動物園シリーズ。
哺乳類でもっとも動きが緩慢なナマケモノを紹介したが
鳥類にもめったに動かないヤツがいた。
みなさんはハシビロコウをご存知だろうか?

くちばしの広いコウノトリという意味のハシビロコウ。
ナマケモノのふるさとが中南米なのに対し、
こちらはアフリカである。
スーダン・エチオピアからザンビア辺りにかけて
アフリカ中央部に広く生息している。
生息しているが数は少ない。

Seeing is believing  まずはご覧あられたし。
不気味さと愛嬌を兼ね備えて

数年前に同じ上野動物園でこの鳥に遭遇したとき、
しばし言葉を失った。
この世のものとも思えないというか、
ロボットか何かの作り物に見えたし、
思わずアニメの世界を想像してしまった。
今まで出会った生きものの中で
もっとも生きものらしくない生きものだったのである。

突っ立ったまま動かないのは
獲物であるサカナに気配を感知されないため。
水辺で小魚を狙うサギ類同様の行動パターンだ。
ただし、ハシビロコウが狙っているのは
肺魚を代表格とする大型魚。
肺魚は肺で呼吸するので数時間に一度は
息継ぎのために水面に浮上してくる。
そこをバカデカいくちばしでパクリとやって丸呑みしてしまう。
サギのように細く長いくちばしで突っつき取るのではなく、
感覚としてはペリカンみたいにガバッとやるようだ。

ネットの画像でアヒルをくちばしで挟んでるのを見てブッタマげた。
何と言ってもくちばしこそがハシビロコウの一大特徴。
民族衣装のオランダ女性が履く木靴そっくりではないか。
アヒルに限らず自分より小さい鳥にはチョッカイ出すことしきり。
動物園でも人間の子どもを見とめると、
ノコノコやって来ては威嚇するらしい。
小さいお子さんをお持ちの方はぜひ来園してお試しを!
ついでにもう1枚
アレッ! 動いてんじゃねェか! ってか?
違うの、違うの、コレは別の個体なのっ。
心なしかくつろいだ表情を浮かべております。

現在、上野には5羽のハシビロが常駐中。
運がよければ羽ばたいたり、
まれには飛ぶシーンが見られるそうだ。
J.C.の場合はかれこれ十数回、
拝顔の栄に浴しているものの、
歩いてるとこと笑ってるとこしか見たことありませんがネ。

2012年9月25日火曜日

第411話 動物なのに動かぬ物 動物園こそわが楽園 Vol.2

先月からスタートした新シリーズ、”動物園こそわが楽園”。
今日はその第2回。
5月の連休明けにふと思い立って
上野動物園の年間パスポートを購入して以来、
わが東京散歩の根拠地は上野になった。

上野はきわめてユニークな街である。
お山の上は美術館・博物館・コンサートホールが
建ち並んでアカデミックな匂いが漂う。
徳川家ゆかりの寛永寺も雰囲気づくりに一役買っている。
ところがお山の下に降りると、
のどかなのは不忍池のほとりくらいのもので
あとは食欲と性欲がうずまくメルティング・ポットと化す。
この聖俗一体化が上野ならではの魅力なのかもしれない。

その日も日暮れる前には動物園に到着。
サル山のある東園(お山の上)より、
カバやペンギンのいる西園(お山の下)が好きで
鵜の池のほとりのテラスが気に入りのスポットになっている。

今日は西園の隠れた人気者を紹介しよう。
怠惰なことにかけては他の追随を許さず、
動物のくせにまったく動かないヤツ。
と言うと、読者はもうお判りでしょう。
そう、本日の主役はナマケモノだ。
Please, Do not disturb !
イチョウの枝を枕に昼寝の真っ最中。
自然界で寝るときには頭を前脚の中に隠し、
木の幹や枝と一体化することで
ジャガーなどの天敵から身を守るのだが、幸いここは動物園、
文字通り、枕を高くして寝られるワケだ。
両手足の鋭いカギ爪が身体を支え、落ちる心配もない。
自分の四つ足が見事にハンモックの役割をはたしている。

写真のイチョウの木は檻の外にあり、
中とはロープで繋がっている。
外に出てきたヤツがその気になって降りてくれば、
カメラを構えているJ.C.と握手できちゃう距離関係にある。
ただし、ナマケモノが地上に降りるのは
排泄のために週1回程度らしい。

とにかく動かないからほとんどモノを食わない。
葉っぱを1日に10g も食べれば生命が維持できるらしい。
しかも、哺乳類にしては珍しい変温動物で
気温に体温を合わせ、新陳代謝を抑えている。
食べる歓びなんか実感したこともなく、
ひたすら眠るために生まれてきたナマケモノは
自分自身が揺りかごみたいなものなのだろう。

一見、平和に暮らしているように見えても
生息地の南米では猛禽類(主にワシ)の獲物の3割がナマケモノ。
安らかに眠っているか、襲われて食われちまうか、
まさに”揺りかごから墓場まで”を地でいっっちゃってますナ。

2012年9月24日月曜日

第410話 関八州を見廻って (その3)

猛暑をものともせず敢行した関八州見廻りシリーズの一環、
上州・桐生の町で出くわしたのがこの店舗だ。
ソースかつ丼の「志多美本店」
いつの頃からか町の名物にのし上がったソースかつ丼。
中でもこの店の名前は聞き及んでいた。
ここで遭ったが三年目、機会を逃してはなるまい。
古い家屋や仕舞屋が残る桐生にあって
モダンな一軒屋が否が応でも目をひく。

暖簾をくぐり、引き戸を引き、敷居をまたいだとき、
大宮の「いづみや」でイカフライを食べたことを思い出す。
あらら、昼にイカフライで夜にソースかつ丼かや?
揚げものばっかやん。
これも何かのめぐり合わせ、ドンマイ、ドンマイである。

読者は耳タコでございましょうが生ビールが旨いのなんのっ!
ところが品書きのほうはきわめて限定的。

 ソースかつ丼 玉子かつ丼 玉子丼 親子丼
 ソースかつ定食 かつ鍋定食 親子鍋定食

ザッとこれだけなのである。
つまみが一切ないということは
遠回しに飲む客を歓迎しないという意思表示。
でも飲んじゃうもんネ。
ソースかつ丼4個入り(780円)を所望する。
ちなみに2個アップの6個入りは200円アップの980円。

かつはヒレかつである。
歯を立てるとパン粉ガシガシで食感悪く不満が残った。
肉にジューシーさも乏しい。
醤油ベースにウスターソースを混ぜ合わせたようなタレは
新潟のタレかつ丼よりカツレツにマッチしている。
とは言え、名物に美味いものナシ、
浅草辺りの言い伝えがからっ風の上州にも吹いていた。

再び夜の大宮に舞い戻る。
昼に訪れた「いづみや本店」の隣りの「いづみや第二支店」へ。
すると、
「お客さん、10時までなんですヨ」
「エッ、隣りの本店も?」
「いいえ、あっちはもう少し遅くまでやってますヨ」
ときに午後9時45分、すべるようにお隣りへお引越し。

腹一杯でこれ以上食べられないのだから
真っ直ぐ帰宅すりゃいいものをビールは別腹、ベツバラ。
結局は薬局、ジョッキのお供はコレである。
冷奴は心強いわがシェルター
豆腐に腕押し? 豆腐にかすがい? 子はかすがい?
フフッ、豆腐は酒とわが胃袋のかすがいなんざんす。

そう、そう、読者から”関八州”って何ぞや?の問い合わせアリ。
正式には関八州取締出役といい、
関東八州の治安・風俗を取り締まるパトロール隊のこと。
黒澤明の名作「用心棒」では目明しの沢村いき雄が
八州廻りにソデの下を渡すところを
三十郎の三船敏郎とめし屋のオヤヂの東野英治郎がのぞき見て
笑いをかみ殺している。
ご覧になれば八州廻りの何たるかが一目瞭然でありましょう。

=おしまい=

「志多美本店」
 群馬県桐生市浜松町1-1-1
 0277-44-4693

「いづみや本店」
 *金曜日のブログをご覧ください

2012年9月21日金曜日

第409話 関八州を見廻って (その2)

大宮駅前の「いづみや」で真昼の生ビールを飲んでいる。
瓶の銘柄は何じゃらホイと冷蔵庫をのぞいたら
これまたサッポロのラガー、いわゆる赤星だった。
大瓶で510円はずいぶん安いや。

ラーメンのあとだからつまみはいらないが
そうもいかずに所望したのがコレ。
ハテ、これは何でありましょう?
とんかつだろうってか?
いいえ、これは金360円也のイカフライなんざんす。
こんなカタチの1枚揚げはきわめて珍しい。

接客のオバちゃんとオネエちゃんがフレンドリーで
居心地よく、なかなかいい店だわい。
あらためて周りを見回すと、ほぼ全員が単身客。
友だちもいなけりゃ、恋人もいない連中ばかりかな?
ここは哀しいオトコの吹き溜まりかい? 
いや、そうでははあるまい。
独り酒場で飲む酒にはそれなりの楽しみがあるものだ。
細長いテーブルは相席が苦にならず、独り飲みに適している。

ところ変わって上州は桐生の町にやって来た。
映画と同じく、ブログもアッという間に舞台が変わる。
高崎・伊勢崎を素通りしたのは単なる気まぐれ。
3年ぶりの桐生の町を歩きたくなったのだ。

1時間ほどほっつき歩き、汗ビッショリになって
3年前にも訪れたレトロな「立田野食堂」に到着した。
来てはみたものの、空腹感のクの字もない。
今しばらく渡良瀬川のほとりでも散策してみるか・・・。
と、そのとき視野に入ったのが向かいの「高野商店」。
忠治漬で有名な老舗の漬物店である。
フラフラッと道路を渡り、
貼り紙の”梅の奈良漬”に惹かれ、購入した次第だ。

帰宅後、味わうと奈良漬にはまだ若い。
梅の実の粕漬けといった感じ

見ているうちに荒木一郎の「梅の実」が聴きたくなった。
ちょいとデスクを離れてCDラックへ。

 ♪  梅の実がなった この小さな朝に
    青く冷たい 朝もやの中に
    梅の実は風の ゆりかごに眠る
    やがて生まれる 子どものように
    あの空 あの雲 遠い調べよ
    山の頂きの 白い雪    ♪
         (作詞:荒木一郎)

現実の桐生に戻ろう。
梅の奈良漬をぶら下げて渡良瀬川と反対の道を行った。
この時点で「立田野食堂」での晩酌も消えたことになる。
町のはずれを歩いているうち、
聞き覚えのある店に遭遇した。

=つづく=

「いづみや本店」
 埼玉県さいたま市大宮区大門町1-43
 048-641-0211

「高野商店」
 群馬県桐生市東6-6-21
 0277-45-0746

2012年9月20日木曜日

第408話 関八州を見廻って (その1)

11年前に浦和・大宮・与野の3市が
合併して生まれたさいたま市。
その後、岩槻市も吸収合併して
現在は人口120万超えの大都市となった。
東京都の二大メガ市、
八王子と町田の合計100万を大きく上回る数字だ。

中でも最大の繁華街を擁するのは大宮だろう。
東北・上信越方面に向かう新幹線、
そのほとんどの列車が停まるターミナル駅でもある。
ところがJ.C.、なぜか大宮に縁がない。
最後に訪れたのは実に11年前、
そう、さいたま市誕生の年なのだ。

そのときは人気洋食店「紅亭」で晩めしを食べ、
酒場に流れることもなく、
都内に引き返したのではなかったかな?
いやはや、月日の流れの速いこと。

八月から九月にかけて日帰り圏内にありながら
これまで無縁、あるいはご無沙汰の町に小旅行を何度か企てた。
行動を振り返ると、江戸時代の関八州見廻り役に似ている。
その日は上州の高崎か伊勢崎あたりに出没する予定。
となれば、大宮は行きがけの駄賃であろう。
デスクの引き出しから”食のアンチョコ”を引っ張り出すと
大宮エリアには3軒の店名が記されていた。
うち2軒は駅の真ん前、これはつぶしておかにゃならない。

昼どきを少し過ぎた大宮駅に独り降り立った。
1軒目は開業六十有余年の「多万里」。
市民の絶対的な支持を得ている町の中華屋サンだ。
店先に63年間、変わらぬ味とあった。

席に着こうとすると、
「食券をお願いしま~す!」
「へェ、へェ」
500円玉と50円玉を投入し、ラーメンのチケットを購入。
ビールを控えたのは2軒目で飲むつもりだからだ。
人が言うほどレトロでもない店内

中華そば、いや、支那そばですナ
食べてみての素直な実感。
細めややちぢれ麺は柔らかすぎでスープも凡庸なあっさり系。
好きなタイプではあるが聞き及んだ評判ほどでもない。
東京でも都心を離れるとヒイキの引き倒しはままあること、
勘定を済ませて、いえ、食券を買ったのでした。

続いては大宮でもっとも名の知れた「いづみや本店」。
向かって左隣りには「いづみや第二支店」というのもある。
ガマンしていた生ビールをさっそく。
銘柄はサッポロで600円の中ジョッキが他店の大サイズだ。
さすが大宮一の大衆酒場だけのことはある。
ク、クックック~、たまりませんな。
上唇の泡を左手の甲でぬぐい、壁の品書きに視線を合わせた。

=つづく=

「多万里」
 埼玉県さいたま市大宮区大門町1-62
 048-641-3551

2012年9月19日水曜日

第407話 文学青年と夜明かしの巻 (その2)

情欲の魔界を突っ切り、花園通り脇の「森田屋」へ。
ここでは生ビールのあとにコーヒールンバをたしなんだ。
奇妙な名前のドリンクはコーヒー豆を焼酎漬けにし、
豆のエキスを抽出したもので
あまりコーヒーを飲まないJ.C.だが、なかなかにイケる。

 ♪ 昔アラブの 偉いお坊さんが ♪

関口宏の奥サンの顔がまぶたに浮かんだものだ。
酒の肴は秋刀魚刺しともつ煮込み。
この店では煮込みに豚の小腸を使用する。

夜は長い。
長いが今宵は若者の社会勉強のため、あちこち連れ回すつもり。
先を急ぐ。
「森田屋」から徒歩3分の「正直ビヤホール本店」に到着。
ひさご通りの分店にはときどき顔を出すが
こちらはトンとご無沙汰だった。
相方には名物のカレーライスをおっつけて、こちらは生ビール。
おっと、いけネ、分店と違って本店の生は旨くないのを忘れてた。
隣りの常連客もホラ、瓶を飲んでるじゃん。
何とか1杯だけやっつけて即移動する。

お次は炒めスパゲッティの「カルボ」。
店名通りにカルボナーラが主力商品になっている。
ランチの連載を抱えている以上、
かねがねチェックしておきたい1軒だった。

小(200g)・中(400g)・大(600g)と3サイズあるなか、
カルボナーラとミートソースの小を頼み、
そのほとんどをブンガククンに頑張ってもらう。
J.C.はここでも生ビールを飲みつつ、
相方の健闘ぶりを眺めていたのだった。

さて5軒目はホッピーロードの「正ちゃん」。
緑茶ハイをと思ったものの、
気を取り直してまたもや生ビール。
たぶんそのあとで緑茶ハイのハズ。
ブンガククンにも緑茶ハイをすすめたんじゃなかったかな?
アテは身欠きにしんの炊いたのと名代の牛スジ煮込みだ。
さしもの大食漢もさすがに食べきれず、これはテイクアウト。
さもありなん。

そうしてこうして田原町の隠れ家にたどり着いたときは
すでに日付けが変わっていたんじゃなかったかな?
やたらに”かな?”が多いのは酩酊状態を如実に表している。
ここでは吉兆宝山のロックをお替わりしながら
カラオケ三昧ときたもんだ。
相方はまだ若いのに懐メロ・オンパレード。
それも相当古いヤツばかり。
東海林太郎・楠木繁夫・藤山一郎、挙句のはては

  ♪ 土手の柳は 風まかせ 
    好きなあの子は 口まかせ ♪

高田浩吉の「大江戸出世小唄」だもんねェ、
近頃の東大はいったい何をおせえてんだろか。

夜がしらじらと明け染める。
酔いにまかせて、というよりも酔い覚ましに上野広小路まで歩いた。
(二人ともタフだヨ、ジッサイ)
交差点で手を振ったとき、腕時計は5時30分を指していましたとサ。

「正直ビヤホール本店」
 東京都台東区千束4-27-8
 03-3874-0520

「カルボ」
 東京都台東区浅草3-42-6
 03-5603-0203 

「正ちゃん」
 東京都台東区浅草2-7-13
 03-3841-3673

2012年9月18日火曜日

第406話 文学青年と夜明かしの巻 (その1)

J.C.本を携えては東京の町々を食べ歩く若者がいる。
現役の東大大学院生で専攻はフランス文学。
ってことは半世紀を超えて大江健三郎の後輩だ。
好きな作家はバルザックだと言う。
仮にブンガククンと名付けておこう。

昔から東京大学と縁が深いこともあり、
(いえ、ときどきキャンパスを横切ってるだけですが・・・)
一夜、飲みに連れ出すことにした。
待ち合わせたのは荒川区・南千住。
日比谷線南口改札のすぐ横にある「大坪屋」をスタート点とした。
かれこれ数年ぶりの再訪だが、
相変わらず女将サンの勢力が他を圧倒している。
この人に逆らったら一緒に働く旦那も息子も
たとえ客ですら南千住で生きてはいけない。
意外なことにフラメンコ・ダンサーとしての側面を併せ持つ。
なるほど、あの踊りは勢力ならぬ、精力を必要とするからネ。

最初の1杯は酎ハイにした。
ビールはどこででも飲めるし、
こういう店に来たら名物を試したほうが彼のためだ。
つまみはまぐろ刺し、牛煮込み、焼きとんのレバ。
痩身のブンガククンながら食は相当に太い。
何せ、銀座の炒めスパゲッティ屋「ジャポネ」の
横綱サイズをを完食したというから驚きだ。
したがってつまみのほとんどは彼の胃袋に消えてゆく。
ホッピーの白を2杯目として早々に移動した。

彼にとっては初めて歩く山谷の町が新鮮であろうヨ。
そのファサードは東京随一、「大林酒場」の前にやって来た。
ちょいとばかり開いた引き戸のすき間をのぞくと、
オヤジのギョロ目とバッチリ目線が合ってしまった。
こりゃヤベエ!
ブンガククンの頬はすでにほんのり桜色、
こりゃオヤジに見破られるに違いない。
この店、ヨソで飲んできた客は入店不可なのだ。

近所の「丸千葉」に向かったところ、
こちらは満席で入店不可と相成った。
いいでしょう、いいでしょう、
こちとら界隈じゃ、ちったあ知られたおアニイさんでェ、
策はほかにいくらでもあるかんネ。

土手八丁を横切り、吉原のソープ街に足を踏み入れた。
彼の目には山谷よりも新鮮、かつ刺激的なハズ。
「お二人サン、いかがでしょう?
 写真だけでも見てってください!」
黒服たちの声を背中で聞き流し、
脇目も振らずにただ前進あるのみ。

それにしても景気が悪いや。
出入りする客をトンと見掛けないもの。
こんな状態じゃ、
黒服どころか娘たちは食べていけるのだろうか?
他人事ながら心配になってきた。

=つづく=

「大坪屋」
 東京都荒川区南千住4-4-1
 03-3801-5207

「森田屋」
 東京都台東区浅草5-33-2
 03-3873-2218

2012年9月17日月曜日

第405話 茄子と生麩とラクレット

板橋区・下板橋に都立北園高校がある。
中学三年生だったJ.C.は入学を目指したものの、
われわれの学年から天下の悪制、
学校群制度なんてのが施行されて望みがかなわなかった。
よって板橋高校を3年間の学窓としたわけだ。

はるか昔のハナシはさておき、
北園高校の隣りに担々麺の旨い店があると聞き及び、
出張っていったのは4年前の四月だった。
店名を「栄児家庭料理」という。
”栄児”はロンアールと”発音する。
本郷は壱岐坂上に支店を開いたと聞いたものの、
訪れることとてなく、ずっと未踏のままだった。
それがヒョンなことから行く 機会に恵まれた。

ある夜、酒友のM鷹サンと本郷で飲む手はずになった。
本郷三丁目駅の近くにあるもつ焼き屋で待ち合わせたが
席の確保ままならず断念。
そのとき、ふと思いついたのがここだった。
同じ本郷でも菊坂より
壱岐坂のほうに足が向きやすかったせいもある。

生ビールは苦手なエビス。
それを回避して瓶を頼むと、注文をとったウエイターくん、
途中でUターンしてきた。
「あのゥ、瓶もエビスなんですけど・・・」―
おい、おい、そういうことは初手から言うてくれい!
消去法で残ったのが中国産の燕京(ヤンジン)ビール。
結果、青島(チンタオ)よりマシだったのが不幸中の幸いだ。

M鷹サンが真っ先に食べたがったのはきくらげ炒め。
けったいなものがお好きな御仁だ。
案の定、旨くもなんともなく、そりゃそうだろうヨ、
きくらげなんざ、脇役に撤していればよい食材。
主役を張るのは土台ムリなのだ。
小籠包子もパッとしない。
海老と野菜の塩味炒めは語るに値しなかった。

紹興酒も飲まずに勘定を済ませ、清水坂を下る。
本郷も白山も谷根千も、とかく文京区には坂が多い。
そうしてたどり着いたのは湯島天神下の「シンスケ」。
都内屈指の酒亭につき、ここなら間違いはない。

クラシックラガーで軽くノドを潤したあとは
両関本醸造の常温である。
つまみは真っ先に水茄子の一夜漬け。
続いて来れば必ず注文する生麩田楽ときつねラクレット。
生麩は京都は錦小路にある「麩嘉」の製品だ。
きつねラクレットは油揚げの中に
ラクレットチーズをはさんであぶったもの。
いずれも恰好の酒の友である。

本郷の仇を湯島で討つことができ、溜飲を下げた次第。
やはり中華と和食の最大の差はデリカシーだろう。
連中にゃ悪いが民族的にもそうかもしれない。
TVで中国の反日デモを見ながら切実にそう思った。

「栄児家庭料理 本郷店」
 東京都文京区本郷3-15-1
 03-5800-5111

「シンスケ」
 東京都文京区湯島3-31-5
 03-3832-0469

2012年9月14日金曜日

第404話 思い立って銚子の港 (その3)

銚子を離れてもなお続く日帰りの旅。
コンパクトながら往時の面影を残す佐原を
1時間ほど散策して成田に移動した。

国際空港の町を初めて歩む。
それにしても成田山新勝寺は駅から遠かった。
浅草のつもりでいたから大変だ。
参道の急な坂を下ったと思ったら
本堂前の石段がまたスゴいや。
お年寄りにはムリだろう。
空港を利用したこと数限りないが
とにかくこれまでの無事を感謝して手を合わせた。

参道にやたら多いうなぎ屋はどこもガラガラだ。
イタめし屋やインド料理屋まであったりもするが
みなもぬけのカラで人っ子一人いやしない。
たぶん月曜日のせいだろう。
前日の日曜は繁盛したと思いたい。
地方都市の古びた商店街みたいに
シャッター・ストリートになったら仏さまも浮かばれまい。

参道入口近くの居酒屋に戻ったときは
したたり落ちるほど汗だっくだっく(最近こればっかり)。
行き掛けに目星をつけておいた「ごんべえ」は
店先の貼り紙に誘われたのだ。
ソレにはおおむねこうあった。

*よりみちセット 1000円
 生ビール or レモンハイ 2杯
 冷奴 葉しょうが 牛もつ煮込み

破格である。
つまみトリオもよい組合せだ。
葉しょうがは言わずと知れた谷中しょうが。
安易に枝豆やもろきゅうに逃げないのがいい。
あっさりの2品にこってりの煮込みを合わせている。

暖簾越しに中をのぞくと、小上がりはスカスカだが
カウンターはほぼ埋まっていた。
一つだけ空いたカウンター席に落ち着くとき、
左隣りの女性が自分の椅子を引いてスペースを作ってくれた。
こういう人は少ない、この人はいい人だ。
生ビールを飲みつつ、ヒマに任せてメニューをながめ、
セットの内容を計算したら計1950円、ほぼ半額での提供だ。
隣りの二人連れの女性から流暢な英語が聴こえてくる。
どうやら航空会社のC.Aらしい。
ともにアジア系だがシンガポールや香港の訛りはない。

何かのキッカケで二人との会話が始まった。
隣りの年配者が日本人のAikoサンでL.A在住。
その向こうがコリアンのAnnサンでワシントンD.C在住と判明。
二人で飲むのは初めてだという。
アジア同士のよしみということだろう。

互いの日常で穏便に話題がスタートしたものの、
徐々に竹島(独島)問題からロンドン五輪の日韓サッカー、
はては韓国女子ゴルファーの強靭さにまで発展する。
おかげで予定した帰りの時間を大きくオーバーしてしまった。
とにかく二人ともよく飲む。
Ann なんざ、麦焼酎のストレートに生ビールのチェイサーだもん。
柏か松戸でもう一杯を目論んでいたけれどトンデモない。
まあ、今宵ばかりはヨシとしときましょうかねネ。

=おしまい=

「ごんべえ」
 千葉県成田市花崎町736
 0476-24-3939

2012年9月13日木曜日

第403話 思い立って銚子の港 (その2)

金目鯛不在の理由を訊ねたところ、
女将応えて曰く、
「市場に揚がったことは揚がったんですが
 ウチで使えるサイズのものが揃わなかったんです」―
ふ~む、なるほどネ。

遠来の客にしてみれば、多少小さくてもいてくれてたほうが
どんなにかありがたいのにねェ。
まあ、グチッても始まりやせん。
整った昼食膳をいただきましょう。
まぐろスタミナ唐揚げセット(1380円)
中央の唐揚げを刺身・サラダ・佃煮・新香が取り囲んでいる。
生野菜の上に刺身が2切れ乗ったサラダ。
ドレッシング多めのサラダに刺身のつま大根を混ぜ合わせたら
ビールのよいつまみになってくれた。
ごはんと味噌椀は声掛けのあと出しにしてもらい、
ビールをもう1本いきましょう。

唐揚げは唐揚げに非ず。
片栗粉をはたいた竜田揚げだった。
ニンニク醤油の下味が利いている。
赤身のまぐろ刺しは歯応えのある羊羹みたいな食感。
キハダかなと思ったが、メバチまぐろだという。
値段からして文句の出ない水準に達している。

ビールを飲み終え、范文雀で、もとい、
半分弱でお願いしたごはんが見事な炊き上がり。
わかめの味噌椀もけっこうで思わず出たサインはV。
それにしても金目にはよくフラレるなァ。
いつぞやは江戸川区・平井の、その名も「きんめ家」で
入荷ナシの憂き目にもあっった。
「きんめ家」に金目がなくてどうすんだい!

突き刺さる陽射しの下、身の振り方を考える。
そして”帰り掛けの駄賃”とばかり、成田に寄ることにした。
成田といえば、空港にはお世話になっているものの、
町を歩いたことも新勝寺に詣でたこともない。
今のとこ海外旅行の予定はないけれど、
このへんで一度、過去のお礼も悪しき行動ではあるまい。

おっと、その前に佐原にも寄り道しておこう。

 ♪  佐原囃子が聴えてくらァ
    想い出すなァ・・・御玉ヶ池の千葉道場か ♪

ありゃりゃ、またやっちまったヨ、めんご、メンゴ。
前回来たのは北京五輪の真っ最中だったっけ。
想い出すなァ・・・あれから丸4年かァ。
いけネ、まだやってるワ。

=つづく=

「丼ぶり・定食屋 久六」
 千葉県銚子市新生町1-36-49
 0479-22-1038

2012年9月12日水曜日

第402話 思い立って銚子の港 (その1)

朝目覚めてこの日はどこかへ行きたい気分。
行く気になったのは千葉県・銚子、
下総の東のはずれ、利根川河口の漁港である。
銚子といえば犬吠埼だが、岬に立つつもりはなく、
昼めしのための遠征だった。

目当ては「丼ぶり・定食屋 久六」の金目鯛。
銚子は金目鯛の北限とされ、脂の乗った上物が水揚げされる。
とりわけ外川港に揚がったものは当代一の呼び声が高い。
「久六」はほかにまぐろしかない金目の準専門店なのだ。

成田を経由して列車は一路東へ。
水郷・佐原を過ぎてしばらく、大利根が眼下に広がった。
条件反射で脳裏をよぎったのは

 ♪ 利根~の  利根の川風  よしきりの ♪  

おい、おい、またそれかヨ、耳タコだぜ!
読者に叱られそうだから「大利根無情」はやめておく。
 
銚子駅から歩くこと15分あまり。
日活の裕次郎映画の舞台になりそうな光景に出くわした。
銚子漁港事務所兼直販所

その真ん前に「久六」

品書きのXジルシが気になった。
なっ、なんだよォ! 
こりゃ、あかんぜよ、”金目のキンちゃん”全滅の巻である。

しょうがねェなァ、また出直すとするか・・・。
去りがたきを去ろうとして思いとどまった。
どうせ次回も単身だからいっぺんに両方は食べられん。
今回、まぐろだけでもつぶしておこう。
のども鳴ってることだし、
まずはビールという名のガソリン補給だろう。

午後2時だったが店内に先客はゼロ。
応対に出てきた女将サンが申し訳なさそうに
「あのゥ、本日は金目がございませんが・・・」
「ええ、まあ、ここまで来ちゃったもんですから・・・」
「そうですか、どうもすみません」
物腰柔らかく言葉丁寧な女性である。

カウンターに着席して所望したのは
まぐろスタミナ揚げセットとサッポロ黒ラベルの中瓶。
見回すとカウンター6席に座敷のテーブルが12席。
2階にも席がありそうだ。

旬を外しても深海魚の金目はほぼ一年を通して獲れるハズ。
ビールを運んでくれた女将に訊ねてみた。
「今日は市場に出回らなかったんですか?」
「いいえ、そうじゃないんですヨ」
首を振りながら応えたものである。

=つづく=

2012年9月11日火曜日

第401話 結局は甲府盆地 (その3)

その日の夜もまた甲府の街。
真昼の猛暑と打って変わり、夜は過ごしやすい。
これが盆地の特性だ。

ところでJ.C.の目を再び点にしたのはどんな光景だったのか。
店名をご覧くだされ
永井荷風の「断腸亭日常」を読まれた方ならピンと来られよう。
かつて銀座の目抜き通りにあった「富士アイス」。
荷風が一時期、足繁く通った洋食店である。

実はこの日の昼、とんかつ「美味小家」の行き帰りに
朝日通りの角で「富士アイス」なる店舗を見掛け、
気になりはしたが時間に追われる身とてうっちゃってきた。
ところが線路の反対側の商店街でまたもやこの「富士アイス」。
しかもアタマにちゃんと銀座の文字を冠している。
これは看過できませんゾ。

メニューはかなりしっちゃかめっちゃか。
まぐろブツだのつけめんだのととりとめがない。
昼のロースカツが効いて空腹感はないが
野菜炒めハーフ(420円)というのを見つけ、
これならとお願いしたものの、けっこうな量だった。
野菜の下に豚肉が隠れていた  
注文を取ってくれた女店主に店名の由来を訊くと、
先々代が名付けたこと以外は何も知らないらしい。
おそらくこの爺さんが荷風のファンだったのだろう。
東京・銀座の「富士アイス」のことすら彼女は知らなかった。
朝日通りの店舗はここの暖簾分けで、長野の岡谷にもあるようだ。

「どうして本店だけに”銀座”が付いているの?」
「だってここは銀座通りですから・・・」
「エ~ッ、ここが銀座通りなの?」
珍妙なやりとりだが彼女は正しい。
そう、このアーケードは甲府銀座であったのだ。

これ以上、女店主と会話を続けても新しい情報は出てこまい。
長居は無用とばかり腰を上げた。
はて、どうしたものか?
バーでは地方色が薄まるし、かといって重いものは受けつけない。
そこで入ったのがこの店だ。
インパクトある店名に惹かれた
総州屋でも総武屋でもなく、総理屋ときたもんだ。
まさか失脚した元総理が転職したのではなかろうな。

店内はいたってフツー。
居酒屋食堂といった風で地元のサラリーマンが酒交している。
品書きに面白いのを見つけた
ふ~ん、炒めしねェ、言い得て妙じゃないか。
焼きめしではない、炒めめしをイタめしにかけたワケだ。

屋号といい、メニューといい、店主は洒落者かもしれない。
と思いきや、厨房から現われた姿はいたってフツー。
もっとも人は見掛けによらんか。
炒めめしを収める余裕をわが胃は持たず、冷奴でビールを飲んだ。
冷えて美味いが生姜はほしい

甲府との初夜が野菜炒めと冷奴ではいささかわびしい気がしたネ。

=おしまい=

「銀座富士アイス」
 山梨県甲府市中央1-14-12
 055-233-4634

「総理屋」
 山梨県甲府市丸の内2-16-7
 055-222-6110

2012年9月10日月曜日

第400話 結局は甲府盆地 (その2)

灼熱の甲府盆地にいる。
中央線沿線でベストと称されるとんかつ店、
「美味小家」で並のロースカツを味わっている。
ややっ、コイツは飛びっきりだ。
東京に出店してもベストテン入り間違いナシ。
それもかなり上位にランクされるだろう。
今年の春、みちのく仙台で食べた「かつせい」より上とみた。

生パン粉の特性が際立ち、
ファーストアタックのカリッサクッ感が快適だ。
豚ロースの旨みもじゅうぶん。
余計な見栄を張らず、銘柄豚を回避して正解だった。
おそらく相当なボリュームのハズ、さすれば夜に支障をきたす。
ともに滋味深いソースはどちらかといえば甘口のほうが好み。
茄子入りのきゅうりもみは味覚のリセットに重要な役割を担った。
味噌椀にはキャベツに混じり、甲州名物のほうとうがチラホラと。
うん、うん、この出汁は煮干しだろう。

美味いとんかつの直後に灼熱地獄が待っていた。
時計の針は13時25分を指している。
何としても14時発小淵沢行きをキャッチしなければ・・・。
炎天下を急ぎ足で歩きづめに歩き、というより
かなりの距離を走りもしてきっかり30分、ジャスト・イン・タイム。
甲府駅のトイレへ駆け込み、Tシャツを着替えた。
汗のかき方は甲府ならぬ、甲子園の球児並みだぜ。
(アッ、コレ、球児の藤波と藤川球児をかけてマス)
ふと見た構内の名所案内に愕然とした。
何と「美味小家」が位置する湯村温泉郷まで
駅から五キロと明記されているではないか。
まさか5キロはないと思うが30分でその距離はシンドいや。

小淵沢から小海線に乗り込む。
終点の小諸まで行き、上田か松本に出て1泊しようか・・・。
ここで思い出したのは今朝見たゲンキの無い愛猫のこと。
心の中にモクモクと暗雲が広がり始める。
すると清里で折りよく反対方向の小淵沢行き列車が来た。
小梅線は下手に降りたら戻りが厄介、即刻Uターンを決めた。

そうしてこうして甲府に舞い戻る。
結局は薬局で甲府盆地から抜け出せない。
もっともこの地でとんかつは食ったけど、
大汗かいただけでまだ街を見ちゃいない。
気ままにブラついて酒場の吟味に入り、
独りくつろいで晩酌を楽しみ、日帰りすることを決断した。

飲食店街は駅前を除き、どこもさびれにさびれていた。
閉ざされたシャッターのオンパレードだ。
するとこんなスポットが・・・
浅草の名声は地方にも鳴り響いているらしい。
うしろ姿の女性は路地左手の「B」という名のスナックのママ。
入店して確かめたわけじゃないが、まず間違いあるまい。

「オカジマ」なる古いデパートの地下にもぐる。
客はまばらで品揃えも棚によってはガーラガラ。
鮮魚売場で愉快なのを見つけた。
サイズが極端に異なる目板ガレイ
驚いたことにどちらも値札は498円。
大小見比べると、手前のは奥の倍以上ある。
手に取ったらラクに3~4倍の重みがあった。
ファミリーサイズと独身サイズが同値かや?
東京のデパ地下じゃあり得ない光景に目が点になった。
ったく、大ざっぱなんだから・・・。

なおも散策を続けてアーケードの商店街にぶつかった。
ある1軒の店先で再び目が点になる。
しかもこの衝撃は先刻の目板ガレイをはるかに上回るものだった。

=つづく=

「美味小家」
 山梨県甲府市湯村2-6-22
 055-252-7215

2012年9月7日金曜日

第399話 結局は甲府盆地 (その1)

その朝。
行く先を関東・甲信越・東海に地域を絞り、
2~3泊の小旅行に出るつもりだった。
それも各駅停車に揺られてゆっくりのろのろと。
さて、どこへ出掛けようか・・・。
考えあぐねた末に第一目的地を甲府と決めた。
その後、小淵沢から小海線で小諸に向かってもいいし、
中央線を真っ直ぐに、諏訪を経由して松本という手もある。
はては大町に至り、日本アルプスの峰々を仰ぎ見るもよし。

ただ、出がけに気になったのは愛猫のゲンキのなさ。
ひょっとすると夏バテかな? まさかそれはないだろう。
犬じゃあるまいし―。

甲府を選んだのは、前述の地域内の県庁所在地で
酒を飲んだり、飯を食ったりしたことのないのが
唯一、甲府だったから。
街を歩いたことすらなかった。
甲府盆地はすさまじい暑さだろうが
それも盆地で生きる道、暑さをいとわぬ体質に感謝だ。

「美味小家」なるとんかつ屋がすばらしいと聞き、
昼めしはそこに決めていた。
「美味小家」と書いて「うまごや」と訓じる。

甲府着は12時20分。
14時発の電車で小淵沢に向かわないとあとが面倒、
あまり時間がない。
駅から徒歩20分と踏んだものの、
歩いても歩いてもなかなか着かない。
やっとのことで到着したのが12時55分。
もう全身汗だくだく、自分でも汗臭いのが判る。

時間が気になり、さっそく開いたメニューがスゴいや。
特選純粋金華豚ロースの2800円を筆頭に
イベリコ豚、平牧三元豚などが1995円。
実に40種近い品揃えに圧倒された。
こういうときは一番安くて小さいのを選ぶことにしている。
1050円のロースかつ定食をお願い。
あとから入店してきたサラリーマン諸氏もほとんどこれだ。
中にはヒレかつ派もいるけどネ。

最初にテーブルに運ばれたのがコレ。
甘口&辛口ソースに白胡麻と練り辛子
美しい! 実に美しい!
辛子など他人が使用した痕跡がまったくないじゃないか!
こんな繊細なとんかつ屋は生まれて初めてだ。
プレリュードからしてこれじゃ、とんかつは美味いに決まってる。
 
注文から15分後に現れたロースかつ
キャベツの隣りになぜか生のパイナップルが1切れ。
これはデザート代わりではあるまい。
酢豚やハワイ風ポークソテーの前例があるように
豚肉とパイナップルの相性、及び相乗効果を狙っているに違いない。

脂身から一番遠い左端を何もつけずにパクリ。
う~ん、ウ~ン、オトコJ.C.、思わずうなりましたネ。

=つづく=

2012年9月6日木曜日

第398話 お寺もタワーも関係ねェ!

年に何回か酒盃を交わす間柄の両先輩、
Sおサン&K雄サンと小宴を張る宵がやって来た。
会場の橋場「山海」へは前日の昼にも下見に訪れた。
そのとき、今年最大の発見、
いなり寿司の「ふじ多」に遭遇したのだった。
暗い夜ではまず気づかなかったハズ。
物事、何が幸いするか知れたものではない。

二人との待ち合わせは浅草の奥の奥、
吉野通りは清川2丁目の交差点。
J.C.は1時間前に現場に現れ、
軽く一杯飲る店の物色に余念がなかった。
3軒の候補店から1軒に絞り込み、
時間が余ったので「中福楼」という町場の中華屋へ。

近くに中華が少ないせいか、
狭い店内は立て混んでおり、おのずと相席に。
しょっぱいきゅうりと茄子のぬか漬けで生ビールを飲んだ。
オバちゃんの接客にアンちゃんの調理。
顔が似ているから間違いなく親子であろう。

入口近くのテーブルですでにデキ上がった、
グループのオッサンがデッカい声でしゃべっている。
「なんかオレ、ここんとこ淋しくてよぅ、
 オレ、昭和26年生まれなんだが、この間、上野動物園で
 オレと同い年のチンパンジーが死んじゃってよぅ・・・」
笑っていいものかどうか、でも何となくホンワカしたハナシ。

3人落ち合って向かったのは界隈随一の名酒場、「大林」。
名店ながらオヤジさんのキビしさと無愛想はつとに有名だ。
出会いがしらに血色のよいK雄サンがいきなりヤラレた。
「アンタ、飲んでないだろうネ?」
「いえ、いえ、飲んでない、飲んでない!」
そう、酔客は入れてもらえないのだ。
それどころか飲んでる客は酔ってなくとも一発レッド

生ビールが好きなSおサンには申し訳なかったが
瓶のクラシックラガーで再会を祝し、乾杯。
突き出しはニラのおひたし。
頼んだつまみは天豆(そらまめ)とキンピラを1皿ずつ。
二人とも店内の設えにいたく感嘆のご様子。
案内した甲斐があろうというものだ。

本会場の「山海」では待望の生ビールと白&赤ワイン。
いただきモノはかくのごとしである。

 ぶり大根(突き出し)
 刺身盛合わせ(真子がれい・生とり貝・赤貝・小肌・赤いか)
 胡麻河豚白子ポン酢
 鯨さえずりのベーコン&鯨赤身の竜田揚げ
 かにクリームコロッケ
 鳥とごぼうの釜めし

赤字は特筆モノ。
愉快な夜であった。

浅草の奥座敷といえば聞こえがいいが
日本堤・清川・橋場の地は
一般の東京人が忘却の彼方に押しやってしまったエリアで
浅草寺のご利益(りやく)ともスカイツリー効果ともまったく無縁。
寺もツリーも、そんなの関係ねェ!! なのだ。
でも、いや、だから好きなんだよなァ。
J.C.はこれからもずっと持ち続けますヨ、
愛しい場所とただれた肉体関係をネ。

「中福楼本店」
 東京都台東区日本堤1-24-16
 03-3872-8936

「大林」
 東京都台東区日本堤1-24-14
 03-3872-8989

「山海」
 東京都台東区橋場1-30-10
 03-3873-4731

2012年9月5日水曜日

第397話 物忘れの達人 (その2)

しっかし、よく物を忘れるもんだと感心する。
ここまでくりゃあ、もう達人の域に達してる。
のみとものHしクンからのメールには
「おたがい、忘れ物には気をつけましょう。
 そろそろクセなのか、寄る年波なのか
 区別が付きにくくなっていますので―」
とあった。
いや、ごもっとも。

その北千住の夜である。
去年の今頃、16年ぶりに会ったニューヨーク時代の友人、
N美と駅ビルで待ち合わせた。
自宅にわさびを切らしており、ルミネの地階で調達して赴く。

当夜はもともとエリアの未訪店を数軒つぶす予定。
豚のブレンズ(脳味噌)の煮込みをウリにしている、
「ささや」でスタートした。
脳味噌はそう食べられる代物じゃないから
抑えておきたい一品ではある。
実食してみると、煮込みよりもつ焼きに分があり、
牛のハラミ、豚の上ナンコツ&レバーがよかった。
ただし、北千住の物価指数を考慮すれば割高感否めず。

小料理屋風のたたずまいを見せる「葵」へ移動。
千住が江戸四宿に数えられ、繁華を極めていた時代なら
”葵”の屋号は許されなかったに相違ない。
ひしこいわしの酢〆に惹かれ、注文するその瞬間、
目当ての品が突き出しとして登場した。
こういう偶然は大歓迎だが
代わりに二人の意見が一致した新さんま塩焼きは売切れ。
隣りのオッサンが最後の1尾を突ついている。
それもきったねェ食い方で―。
こちとら割り箸でオッサンの頭を突つきたくなった。
ハハハ、そりゃ冗談。

「葵」の自慢は牛すじ煮込み、なるほどこれはすばらしい。
同じ通りにある超有名店、「大はし」のソレを超えている。
切り盛りするのは七十代と思しき女将独りきり。
接客・調理・会計のすべてを取り仕切る。
がばいばあちゃんもビックリのスーパーばあちゃんだぜ。

3軒目は「酒屋の酒場」。
名の知れた店なのに、なぜか今まで未訪だった。
古き良き大衆酒場をイメージして入店したが
意想外なごくフツーの雰囲気に少なからず落胆。
頼んだシャコわさ、穴子白焼きもそれなりだ。
期待を外されて先を急ぐ。

やって来たのは「オステリア・シエロ・アズッロ」。
「青空食堂」と訳そうか。
ワイン好きのN美のためにイタリアンで締めることにした。
所望したのはバーニャ・カウーダともう一品。
確か鴨のラグーのタリアテッレだったかな?

都合4軒でお開きとするも、帰宅したら大切なわさびがないヨ。
2軒目に持ち込んだところまで覚えちゃいるが、あとはおぼろ。
しょっちゅうこれだもんネ、、つくづく自分がイヤになる。
今後は唐草模様の風呂敷を持ち歩き、
首に結わえつけとくかな・・・、かつての東京ぼん太みたいにヨ。

「ささや」
 東京都足立区千住2-65
 03-6661-3773

「葵」
 東京都足立区千住2-29
 03-3882-7700

「酒屋の酒場」
 東京都足立区千住中居町27-17
   03-3882-2970

「オステリア・シエロ・アズッロ」
 東京都足立区千住2-65
 03-3870-0432

2012年9月4日火曜日

第396話 物忘れの達人 (その1)

近頃、ってゆうかァ~、子どもの頃からだから
”三つ子の魂百まで”の世界なんだが物忘れがヒドい。
人や店の名前が出てこなかったり、
予定や約束をほったらかしにしたりはしないけど、
持ち物の置き忘れが多発している。
1ヵ月ほど前にも当ブログで
小学生時代のハーモニカ置き忘れ事件を白状したが
半世紀を経て、いまだに直っちゃいない。      

先週の金曜日、夜の11時には自宅にいた。
何気なく一日を振り返ると、どうも歩き方が足りない。
歩き不足を補うため、夜の散歩に家を出た。
足の向くまま、気の向くままに1時間程度歩くつもりだ。

この時間帯はコンビニと牛丼屋以外に
開けてる店はほとんどない。
東京の街はいつからこんなふうになったかなァ。
とまれ、明るさにひかれて飛び込んだコンビニで
廉価なレトルト惣菜に目がとまった。
漠然と興味が湧き起こり、
鳥肉のミートボールとポテトサラダを購入した。

物事にはハズミというものがある。
つい、隣りの棚の水ようかんに手がのびた。
普段はめったに食べない甘味なのに
蒸し暑い夏の夜のこととて
冷たい水ようかんで
舌先に涼を呼び込む気になったようだ。

コンビニ袋をブラ下げ、なおもブラブラ・・・。
すると、「D」という名の居酒屋の前で足がとまった。
日付けが変わろうとしているのに営業中の札が出ている。
店頭の品書きがなかなか独創的で
そんじょそこらの酒場にはない魅力を感じた。
誘われるように踏み入って過ごすことしばし・・・。

金曜限定の穴子の活け造りに心惹かれて即注文。
いや、ちょっと待て、この店のことはまた稿を改めたい。
三十代前半の店主と話が弾んで
店を出たのが午前2時すぎ。
思わぬ長居をして迷惑を掛けた次第。

帰宅後、われに返ると買ったはずの袋が見当たらない。
「D」に電話を入れたら店主曰く、
忘れ物に気づき、あとを追ったものの、見失ったとのこと。
こりゃダブルで迷惑を掛けちまったな。
まあ、腐るものでもないし、オマケに冷蔵しておいてくれる由。
もっともいまだにピックアップしてないがネ。

それはそれとして、2日後にまたやってしまった。
舞台はちょくちょく出向く北千住。
ことの顛末はまた明日にしましょう。

=つづく=

2012年9月3日月曜日

第395話 鯉をあきらめて

 ♪ 波音が響けば 雨雲が近づく
   二人で思いきり 遊ぶはずの On the Beach 
      きっと誰かが恋に破れ 噂のタネに邪魔する 
   君の身体も濡れたまま 乾く間もなくて 
   胸元が揺れたら しずくが砂に舞い 
      言葉も無いままに あきらめの夏 ♪
            (作詞:桑田佳祐)

サザンのナンバーでマイ・ベストファイヴに入る
「夏をあきらめて」は1982年のリリース。
サザンではなく、研ナオコでもなく、
坂本冬美ヴァージョンを聴きながら今コレを書いている。
他アーティストのカバー曲としては残念ながら
「また君に恋してる」のようにはいかなかった。
曲の真髄の”けだるさ”がどこにも感じられないのだ。

今回J.C.があきらめたのは夏ではなく鯉。
恋じゃないほうの鯉である。

この夏も仲間たちと恒例の軽井沢小旅行へ。
毎度、何をするでもなく、昼間からバーベキュー。
あとは麻雀を打ったり、将棋を指したり、飲んだくれたり。
ただ、今年は帰京する日に佐久へ立ち寄って
名物の鯉料理を味わう手はず、それが楽しみだった。

東京に戻る前、これも恒例となった
「スーパーTSURUYA 軽井沢店」で買い出しのあと。
これから佐久では時間が掛かりすぎるとの意見多数により、
鯉料理が却下されてしまった。
まあ、しっかたなかんべサ。

代わりに寄ったのが日本そばの「満留井」。
注文品は揃ってもりそば。
そして旬菜天盛りを二人で一人前。
ドライバーがいるからビールは封印し、
セルフの冷たい麦茶で文字通りお茶を濁したが
このそば茶の旨いこと、たまにゃビール抜きもいいもんだ。

そうこうしているうちにまず天盛りが運ばれる。
蓮根・大葉・舞茸・さつま芋・モロッコインゲン
丁寧に揚げられており、水準に達している。

もりもそれなりの美味しさ。
見た目涼やかでけっこう
つゆはもうちょっと下世話な甘みがほしいところ。
薬味はねぎ・おろし・ニセわさび。
ニセならわさびは要らないけれど、
本わさとおろし板がクルマにあるので取りに戻った。
信濃ではわさびと板と箸袋
ランチタイムもピークを過ぎたのに店内は大盛況。
続々と客が詰め掛けてくる。
同じ地所に姉妹店の「鮨処 吉祥」が。
鮨屋も同様に繁盛しているのだろうか?
おそらくそば屋ほどではなかろう。
海のない国・信濃では鮨より断然そばでしょう。

「満留井」
 長野県佐久郡軽井沢町長倉628-5
 0267-42-0330